整髪(母の場合) [母]

 母の整髪には、父とは違う困難さがあります。お気に入りの美容室は車で30分はかかる場所にあり、しかも2階にあり、エレベーターがありません。おまけに手すりが左側にしかないのです。「近場で髪の毛切ろうよ〜!Tさんのところは遠いし、階段上るし、手すりが片側にしかないし、バリアフリーじゃないし、めんどくさいでしょ!(mizumiuが・・・。)それに美容室に行く時間を考えたら、半日はデイサービスをお休みすることになるよ。お父さんを一人残して行けないでしょ!」と何度も言いましたが、それに対して母は、「Tさんのとこがいいの。Tさんはカット上手だよ。切ってもらったら、手櫛で髪がきれいになるし、きれいに伸びてバサバサにならないの」と譲りません。

 確かにTさんのカットは上手です。母に似合う髪型にしてくれます。mizumiuもTさんのところの美容師さんに切ってもらったことありますが、技術はしっかりしています。でも、でも、車椅子で行くとこではないんです。それでも母は行きたいと言うんです!

 一度、車で7、8分、駐車場目の前、1階、バリアフリーの美容室で切ってもらった事があります。丁寧に切ってもらって、mizumiuはいいんじゃないかと満足してました。ところが母はやっぱりTさんのとこがいいと主張してきます。

 病院に入院している時は、出張で来てくれていたから楽だったなぁと思い出しました。でも母には、Tさんのところで切ってもらうという気持ちが強くあって、それが励みになっているのかなと理解してます。母が髪を切らないといけない頃になると、付き添うmizumiuは気合いを入れて、「お母さん、髪切りに行くよ、階段がんばって上るんだよ、リハビリだからね!」と言って、Tさんの美容室へいきます。

 美容室に着くと母を車から下し、車椅子に乗せ、階段まで移動し、難関の階段を20分近くかけて上ります。左半身麻痺なので、階段を上り下りする時は右側に手すりがあると楽なんですが、左側の手すりをつかみながら横歩きと称して、ゆっくり上って行きます。階段の介助は力もいるし、動かない脚を一段ずつ上げるにはコツがいります。おまけに母は体重があるのでmizumiuにとっても気の抜けない力作業になります。何度か苦労して上っていたのですが、ある時から一人の美容師さんが母を右側から介助して下さるようになり、mizumiuが麻痺している左側を支え、二人で母を挟んで介助して階段を上るようになってからはずいぶんと楽になりました。とても感謝してます。

 Tさんは暖かく母を迎えてくれます。「短く、できるだけ短〜く切って下さい!」とmizumiuが言うと、「じゃ、かわいく切ろうね!」と答えてくれます。美容室に来る間隔を出来るだけ延ばそうというmizumiuの苦労も分かってくれているのだと思います。母は鏡の前に座ると、とてもうれしそうな顔をして髪を切ってもらっています。しばらくはおしゃべりをしたりしていますが、そのうちに眠ってしまいます。

 髪を切った次の日は毎度のことですが、デイサービスから帰ってきた母は、みんながヘアースタイルを褒めてくれたと自慢げに話します。髪を手櫛で整えながら「かっこいいってよ!、似合うってよ!」と言うので、「よかったね〜、さすがTさんだね〜!」とmizumiuは答えます。これで次回もTさんで決まりです。

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