映画は飽きたとか言うし。 [母]

 老健施設での単調な生活からリフレッシュするために、時々母を映画へ連れて行きます。食事の時間や映画のスケジュールを考え、トイレの世話や、外で食事を取るときのことも考えながらの映画鑑賞です。

 mizumiuも映画を観るのが好きなので、映画に行く事は楽しいですが、母が映画館の中で粗相しないか心配したり、車椅子から席に移動する時には気を使ったりします。慣れない映画館のトイレで介助するのは、正直めんどくさいですが、車で移動できる間は、一緒に出かけられる映画を楽しもうと思っています。

 DVDを借りるほうが安くつくのですが、施設へ持って行って見せて返すのは手間もかかるし、紛失すると大変なので、映画館へ行きます。気分転換には映画館へ行く、外出するのが一番かと思います。母は障害者手帳を持っているので、映画のチケットは半額で900円。食事したりするとプラス数千円。行き帰りの車の中でおしゃべりして、母とコミュニケーション。この時に、同じフロアの利用者さんたちの話を聞いたりします。こうやってわざわざ映画観に出かけているという話をすると、母の知人達は、体が元気な自分たちよりも活発だねとびっくりします。はい、mizumiuががんばってるからです!とは言いませんけれど。

 最近観た映画は、『るろうに剣心』、『思い出のマーニー』、『マレフィセント』、『アナと雪の女王』、『ノアの箱舟』、『晴天の霹靂』、『ちいさいおうち』などです。なるべく日本語でしゃべっている映画を観ています。車椅子の席の場所が、映画館の中でも前の方なので、字幕を読むとなると、大きすぎる画面は観るのが結構しんどいからです。

 母に善かれと思って映画館に連れて行くのですが、気分屋の母は、
「お前が行こうって言うから行くんだ。お父さんに申し訳ない」とすねてみたり、
「今日の映画はどうだった?」と聞くと、確か動物がいっぱいのドキュメンタリー映画でしたが、
「観た事ある動物ばっかりだった」とフツー発言したり、ある時は、
「映画はもう見飽きた」と言ったりします。むかっとするのを一瞬抑えて、
「映画が嫌ならもう観ないね。他に何観たいの?」と聞くと、
「お芝居が観たい」と言います。
「どんなお芝居がいいの?」と聞くと、
「歌舞伎が観たい」とのたまいます。歌舞伎だと〜と腹の底でうなってるmizumiuですが、母には涼しい顔して、さらりとこちらの希望を伝えます。
「お母さん、あと15kg痩せて、100歩歩けるようになったら、どこへでも連れて行くよ〜」。母からの返事はありませんでしたけど。

 映画はもういいとか、見飽きたとか平気で言うのですが、映画館のパンフレットや、もらって来たチラシを見て、今度はこの映画が観たいとか言っている母です。母は、観た映画のチラシを必ず二枚持ち帰りたがります。一枚は自分で読むため、もう一枚は映画やテレビの話をよくするチャプレンの方(女性の牧師さん)にあげたりするそうです。帰りの車の中で映画の感想を聞くと、「よく出来た話だった」、「あの女優さんはきれいだった」、「いい役者だ」、「さすがハリウッドだ」、「あれだけ歌えるのはたいしたもんだ」とか、コメントが上から目線なのが面白いです。

 映画館には車椅子を利用している人たちが、もっと楽に映画が観られるようにいくつか改善して欲しいことがあります。介護歴丸6年のmizumiuはいろんなことに慣れているので、普通の人のように、障害を持つ人を連れて映画館を利用出来ていますが、もっと多くの方が、簡単に映画や舞台を観られるようになるといいなと、心の底から思います。

 
 
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