焼き肉食べたい。寿司食べたい。

　先週末、母を連れて映画を観てきました。映画館へ向かう車の中での会話。

「お母さん、今日、映画観たら夕ご飯どうしようか？施設に戻る時間はないから、外で食べるよ。何食べたい？」
「焼き肉が食べたい」
「焼き肉ね。焼き肉屋さんで食べたいの？自分で焼いて？」
「うん。焼き肉はお前が焼いて、私が食べる」
「私、肉食べないから、焼き肉屋さんに行ったら、私が食べるものがないな。まぁ、たまにはいいけれど」
「ステーキでもいいよ」
「分厚いステーキですか」
「うん」
「お母さん、肉そのものは問題じゃないわけさ。mizumiuは肉食べないから、どこの焼き肉屋さんがおいしいか知らないし、駐車場から入り口、店内も含めて、お母さんが車椅子で入れるようなバリアフリーな焼き肉屋さん探すのが、今から出来るかと言うと、ちょっと厳しいな〜。調べられないことないけど。でも今日金曜日だから、どこも人いっぱいだはずよ〜。映画見終わったら、ちょうど道路も混んでいる時間帯だしさ〜」
「…」
「他には、何食べたい？」
「寿司！」
「握ってもらうやつ？カウンターで？」
「うん」
「回っているのではなくて？」
「うん。目の前で握ってくれる寿司」
「お母さん、そんな寿司、沖縄で食べられるところ、mizumiu知りませ〜ん。焼き肉と同じこと言うけどさ、mizumiu普段、お寿司食べないわけ。どこで美味しいお寿司が食べられるのかも、知らない。カウンターに車椅子で座れるようなところも知らないんだわ。どうしよう？」
「…」
「サンエー（映画館のあるショッピングセンター）に行ったら、フードコートあるし、ファミレスあるし、そこ見てから決めようか？」
「そうだね」

　こんな感じで話をしたのですが、自分から聞いておいて、無理かも〜と言うのは、ちょっとな〜って思ってしまいます。意地悪しているつもりはないのですが、焼き肉だ寿司だと言われると、どこへ食べに行けば良いのか、本当に分かりません。mizumiu自身が普段食べない物なので。それに外食する時はまず、母を連れて行ける場所という条件があります。美味しいのか、どれくらいの値段か、行ける範囲なのかどうか、事前に知っておかないと行けません。下調べがめんどくさいというのが、問題…。（汗）

　でも内心「映画観に行くだけでいいじゃん。食事は簡単に済ませようよ！」と思っています。（笑）そこで入ったのがいつもの和風亭。パスタやピザは嫌みたいだし、母は沖縄そばがあまり好きではないし、トンカツも食べたくなかったようです。母は店員さんに、「焼き肉とお寿司ならどちらがおすすめですか」と聞いていました。とても感じの良い店員さんは、「どちらも美味しいですが、僕はお肉が好きなので、焼き肉勧めます」と答えてくれました。母が頼んだのは、お寿司８貫セットメニュー。味噌汁を暖かいうどんに替えてもらいました。茶碗蒸し付き。

　mizumiuが頼んだのは、もりそば。映画の中でおそばを食べていたのが、美味しそうだったから。というか和風亭でmizumiuが食するのは、ほぼ決まっていて、おそば。冷たいか温かいかの違いだけ。母にお寿司８貫は多かったらしく、一つ残したので、mizumiuが食べました。久方ぶりのお寿司。ネタはエビ。糖尿病の母には、焼き肉もお寿司も、あまりよろしくない食事ですが、映画観に行く時くらいは、好きな物食べてもいいかもと、mizumiu勝手に判断。

　いや、本音を言うと、血糖値より楽チンを選んだだけです。母思いなのかどうかは分かりません。それでも、母が満腹感を味わえたのは、よかったなと。そういえば、その日の母は便失禁がありませんでした。尿漏れはありましたし、ズボンがおしっこくさかったけれど、トイレ介助は、とっても楽でした。母に聞くと、施設でトイレに入って来たから、とのこと。職員さんたちに感謝です。それにしても、なんでも美味しいと食する母が、なんでも消化してしまう丈夫な胃腸を持っている母が、うらやましい。

　

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