選挙に行きたいんだけど…。 [母]

 16日の日曜日は、沖縄県知事選挙の投票日で、15時半頃母から電話がかかってきました。

「Mちゃん、今日選挙でしょ。私、投票に行きたいんだけど」
「はぁ?なんで今ごろ言うの?Mは昨日、期日前投票済ませて来たんですけど。何度もお見舞いに行ってる時はなんにも言わないで、今頃、急になんで選挙に行きたいとか言うわけ??」
「いや、らいちょうさんとかが一生懸命選挙できるようにがんばってくれたことを考えたら、選挙に行かないのはまずいな〜と思って…」
「平塚らいてうさんね。そうだね、女性に参政権をってがんばった人たちがいるから、私たちは選挙に行けるよね。でも、なんで今なんだよ!もう三時半だよ。今からじゃ、遅いじゃん!」
「選挙は8時までやっているからさ」
「選挙は8時までやっているよ。でも、今からmizumiuが急いで支度して施設へ向かったとして、4時半前でしょ、それで投票場所まで行って投票して施設に戻って、6時の夕飯に間に合うかどうかが、問題なの。今日はmizumiuは夜は外食したくないよ!」
「大丈夫だよ。ご飯待ってもらうから」
「で、誰に投票するの?」
「…」
「誰に投票するかは言いたくないのね。別にいいよ。でも昨日お見舞いに行った時は、選挙のこと一言も言ってなかったじゃん!なんで昨日、言わなかったの?」
「昨日、お前来たか?」
「来ただろう!午前中に行って、入所費支払って、お父さんの食事の介助したでしょ。そしてお父さんの爪を切ったでしょ!」
「そうだっけ?そういえば、昨日、お前が帰ったあと、Iたちが来たよ」
「あっそう。よかったね」
「あの子達は、みんな可愛いな」
「そう、よかったね」
「特にLが一番賢そうで可愛いな」
「そうなの。一番下のAはどうなの。大きくなっているんでしょ」
「あれは、もう、本当に可愛い」
「よかったね」
「お前が行けないって言うなら、私、選挙行かなくてもいいよ」
「行くよ。投票したいんでしょ!誰か、職員に変わって!!」

 こういう時に、「お母さんが投票したって、何も変わらないよ!」とは言わないmizumiuです。なんというか、やはり選挙は投票に行くべきだと思っているので、施設にいても、なるべくなら投票した方がいいと思っているからです。でも前回の市議会選の時は何も言って来なかったし、行きたいか聞いても、行かないと言っていた母だったので、今回の知事選、それも投票日になってから選挙に行くと言い出したのにはびっくりしました。 
 
 施設に着いて外出届を書いて、待っている母のところへ行きました。母はすまなそうな顔をするも、どこか嬉しそうで、自分の予定を変更させられたmizumiuは素直に怒りを表現しました。もちろん半分冗談ですけれど。他の利用者さん達が見ている前でしたけれど、母の顔、ほっぺたを両手のひらで挟んで、思いっきり揉み込みました。「も〜、今頃になってから〜。昨日言えば良いのに〜」。母は、いやいやと顔を背けました。

「お母さん、誰に投票するのか、言いたくないならいいよ。けど、誰がどんなこと言っているのかわかっているの?」
「ううん。でも仲井眞さんには投票しない」
「そうなの。調査しても良いって言っちゃったもんね」
「mizumiuが分かっている範囲で言うとね、4人の候補者は全員、保守だよ。大きな違いは辺野古移設の是非であって、それ以外にも、医療福祉とか、教育とか言っているけど、それぞれの主張はあってないようなもんだよ。だれも具体的なこと何一つ言ってないもの。結局はだれが交付金を受け取るかという話。もちろん、移設問題についての県民の民意は問えるだろうけどね」
「嘉納晶吉は?」
「彼は、確か社民党の公認は受けてないよ。仲井眞さんは自民党の支持あったと思うけど、あとは無所属だもの。それぞれの考え方があるとは思うけど、mizumiuは嘉納晶吉さんは国会議員はいいと思うけど、首長さんにはどうかなと思う。何したいのか分からないもの。下地みきおさんは、一回大臣経験しているから、政治家としては優れているのかもね。でも彼もね…。具体的なこと言ってないもの。翁長さんは、基地作らないって言っているけど、どうやって阻止するか、出来るかは未知数だものね。今回の選挙の候補者はこんな感じだよ。お母さんが考えて決めて、投票したらいいさ。もし誰にも投票したくなかったら、無記名で出してもいいんだよ。」

 母から電話があってから一時間後以内に母をピックアップして、投票場所まで行き、母を選挙の役員の方に頼んで、投票を済ませてきました。日曜日だったし、投票場所もそれほど混雑していませんでした。帰りの車の中で、母とおしゃべりしていると、ある職員さんに「投票に行きましたか?」と聞かれたと母が言うので、mizumiuは母が急に投票へ行きたいと言った理由が分かりました。平塚らいてうさんの女性参政権の話は方便で、話自体は史実なので、そこらへんは母の文学少女の片鱗が見え隠れするのですが、mizumiuに頼むのに、職員さんに言われたからとは言えないし、職員さんにも選挙に行ってないですと言えない、母のプライドだったのでした。

「誰、その職員さん?名前なんて言うの?」
「Oさん」
「どんな人?」
「少し太目で男の人」
「Oの奴め。余計なことを言いやがって…」

 日曜日夜の予定が狂ってしまったのは、その職員さんの何気ない一言だったのか〜と一瞬怒りが出てきましたが、無事に投票は済んだので良しとしようと思うmizumiuでした。スムーズに行ったり来たりが出来て、夕飯前には施設へ戻ることが出来ました。

 数日前に父の足の爪を切ったのですが、今日はヤスリで後処理をしようと思い、既に食事は済んでいた父の、まずは手の爪をきれいに研ぎました。父はその日とても頭がクリアで、mizumiuが母と一緒に投票に行ったこと、日曜夜の予定が台無しになったよと愚痴るのを黙って聞いてくれました。

 母の長く伸びた爪も切って、軽くヤスリできれいにして、そして家へ帰りました。選挙速報で、すぐに当選結果が出たのですが、大方の予想通りだったと思います。でも得票差が結構大きかったのが少し驚きでした。今日のような突然の予定変更は介護していると当たり前のようにあります。でもどんどんと意欲がなくなっていった父を見ているので、母のやりたいということは、なるべくやらせてあげるように動きたいなと思います。と言っても、優しい心だけではいられないので、母には両手でもみくちゃになってもらいます。


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