母が倒れたとき [母]

 母は左半身不随で、左腕や手はほとんど動きませんが、左脚は装具をつけ、四本で支える大きな杖を使って歩くことができます。頭はしっかりしてますが、倒れてから4年経つので少しですが忘れやすくなったり口数が少なくなったり、という老いの症状は出ています。でも身体の障害は、それほど落ちている印象はありません。

 mizumiuは母が倒れた瞬間を見ました。その場にいたのです。mizumiuの姉の娘に食事を与えるために、洗面器の椅子に座っていた母が、その椅子から横にストンと落ちました。30センチもない高さの洗面器の椅子から落ちたのです。そして「あれおかしいな。変だな」と言って自分の顔を触りながら壁にもたれ、尻餅をついた姿勢から起き上がることが出来ませんでした。「なんか痺れている、おかしいな」と言いながら顔を触っていましたが、すぐに体の左側がだらんとしてきました。

 そのうち顔の半分の表情も歪んできました。mizumiuは驚いて、「お母さんどうしたの?動けないの?」って聞きながら母に近寄りました。「おかしいんだよ、なんか痺れているし」と言いながら体の力が抜けていく母の姿に、これは普通ではないと思い声をかけ続けました。母は変だ変だと言いながら、だんだん言葉がおかしくなっていきました。

 mizumiuは姉のもう一人の乳児を抱っこしていたので、父に預け(認知症の父は、孫の抱っこは誰かが見守りながら30秒程が限界なのですが)、なぜか母の血圧を測ろうとしました。2度試しましたが計ることができず、救急車を呼びました。倒れてから救急車が来るまでに10分もかからなかったと思います。

 救急隊員と話しながら、どこの病院に行きますか?という話をしていると、母が言葉を一生懸命出しながら「・・病院」と言ったのです。「診察券はバックの中に・・・」と言葉にならない言葉で応えてました。そこは普段心臓や糖尿病で通っている病院でした。しかし、その病院は母のような症状の救急患者を受け入れてはいないということなので、別の病院へ行きました。母を担架に乗せて移動させたら、倒れていた場所には失禁した後がありました。

 急を要していたとは言え、認知症の父に生後3週間程の甥っ子を預けていったのが心配で、救急車の中から急いで姉に電話しました。もう一人、母が食事を与えていた1歳半の姪っ子は歩き回るので置いていけないと思い、一緒に連れて行きました。母に何が起こったのだろうか、助かるのだろうか不安でした。残してきた父のことも乳飲み子の甥っ子も心配、とにかくどうしたらいいんだという思いでいっぱいでした。救急隊員と話しながら、姪っ子が怖がらないように話しかけ、母にも声をかけ続けていました。


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