救急病院に運ばれた時のこと [母]

 病院へ着くとすぐに検査が始まりました。母に何かが起きてしまった、助かるのだろうか、元の体に戻るのだろうか、どうか死なないでと祈っていました。しばらくして一緒に連れてきた姪っ子の片方の靴がない事に気づきました。慌てていたので忘れてきたようです。姪っ子は救急病院の受付付近で、周りの様子を興味深く眺めながらゆっくりと歩き回っていました。

 検査が終わるまでがとても長く感じられてmizumiuの気持ちも落ち着かなかったのですが、姪っ子のことも気にかけていたので、母の様態を悪い方向へと考える事はありませんでした。まだ1歳半なのにぐずりもせず落ち着いた様子で、mizumiuの様子も伺いながら自分の興味も満たしつつ歩き回っている姪っ子に、あの時は助けられたなと心から感謝しました。

 一通りの検査が終わり、医師の診断を聞くために診察室に入りました。母は、脳内出血を発症、6mlの視床出血、手術は出来ない場所なので止血剤の投与と血圧コントロールによる保存的治療を行う、との説明がありました。mizumiuは母が助かるのかどうか、倒れてから救急車を呼ぶまでの行動が正しかったのかどうか、とにかく初めて経験する事態に冷静に対応しようと努めつつ、どうにか母を助けて下さいという思いでいっぱいでした。しかし、一通り説明を終えた医師の最後の一言に体が凍り付きました。医師は「あれだけ太っていたら、倒れるのは時間の問題」と少し軽蔑したように言い放ちました。なるべくしてなった、倒れたのは自業自得だよ、と言わんばかりでした。

 あのような場面で医師からあのような事を言われると、患者の家族は何にも言えません。確かに母は食べる事が大好きで太っていました。糖尿病なのに、好きな物を好きなだけ食べていたと思います。糖のコントロールも出来ていませんでした。母に原因があるのはよく分かりますが、もう少し違った言い方が出来なかったのかとも思います。救急病院の先生方は毎日忙しすぎて余裕がないんだろうなと、今は思いますが、あの時は体が凍り付きました。

 集中治療室へと移動するため、母と一緒にエレベーターに乗りました。その時の母は、数時間前の母とも、救急車の中の母とも、かなり違った姿をしてました。ベットの上半身を少し上げられ頭を高くした状態で寝かされていましたが、体全体がだらんとしてて、自分で右足を動かし冊に乗せ、しきりに「脚がかゆいから掻いて、掻いて」と興奮した様子で繰り返し言っていました。顔全体も無表情で、言葉もはっきりしていませんでした。mizumiuは母の脚を掻いてやりましたが、母は感覚のある右足を動かし、何度も掻いて掻いてと興奮して言い続けていました。





 
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