父と会話したこと。 [父]

 普段発語のほとんどのない父は、mizumiuや母が問いかけても、何も言わないか、「知らん」とか「わからない」とか言う反応しかしません。


 でも時には会話が成立することもあり、もちろんこちらが言葉を補わないと意味が成立しない時もありますが、父と会話できている、父の考えや思いを、たとえ父にはその時だけの記憶にしかならなかったとしても、理解できる短い時間がmizumiuにとってはとても貴重です。話す内容はどんなことでもいいのですが、今日は、父にとってもmizumiuにとってもとても大事な話が出来て、その事に対する父の思いが聞けて、とても満足というか安心しました。

 母は部屋で寝ていて、父はテレビを観ていました。なんとなく、意識がはっきりしている感じがあったので、話しかけました。「お父さん、6月の中旬くらいから、お母さんと二人で老人ホームに入ってね。お母さんと二人だからいいでしょ。私はもう疲れちゃったから、休みたい。この家で5年お父さんとお母さんの世話してきたからさ。もういいでしょ。ね、行ってよ」というmizumiuの言葉に、「一人じゃ、ダメだよ」と父が答えました。家で一人では生活できないという意味なのか、一人でホームに行くのは嫌だという意味なのかは、はっきりしませんでしたが、「うん、お父さん一人だけじゃなくて、お母さんと一緒だよ。お父さん一人で入るのは嫌なんだね。お母さんと同じ時に一緒に入れるところにするからね。5、6年経ったら、またmizumiuと一緒に住もうね。それまでお母さんと二人でホームで暮らしてよ」と言うと、いいよと言う感じで、うなずきました。

 なんでもかんでも「嫌!」、「知らん!」、「わからん!」と答えてる父が初めて、老人ホームに入るのを承諾したので、3分程経ってから、また話しかけました。「お父さん、こっち向いて聞いて。6月中旬から、お母さんと二人で一緒に老人ホームに入ってね。私はお父さんとお母さんの世話を一人でやってきて、もう疲れたからね。他の息子や娘は何もしないでしょ。だから休みたいの」と言うと、少し困惑しながら「そんなこと俺一人に言ってもしょうがない」と答えました。mizumiuの兄弟姉妹の事を言われても、自分は何も分からないと言う意味なのか、母がどのように考えているかまでは知らないよ、の意味なのか分かりませんでしたが、「お母さんにも言ってあるよ。お父さんとお母さん二人で入れるホームにお願いするから、そのために必要なお金も私、準備するからね。いいね、わかった?」と聞くと、分かったとうなずきました。

 この会話では、見当意識も短期記憶も正常でした。もちろん、すぐに忘れてしまうでしょう。でも父と何度かこのような会話ができていれば、何かしら父の頭の中に残るとは思うし、父が老人ホームへ行く(心の)準備ができるような気がしています。ただのmizumiuの気休めかもしれませんが、父には少しでも納得してもらってホームに入って欲しいのです。母はまだ頭がしっかりしているので、状況を判断できますが、父は何も分からずにいることが多いので、それがストレスにならないようにと願う気持ちがあります。

 その後で、母のパットを替えながら、父と話をしたことを母に話したら、「お父さんと二人でいられるのは幸せだ」と言っていたので、「お母さん、お父さんと二人でやっていってよ。ボケたら許さないよ。他のことは忘れても、mizumiuのこと忘れたら、大変なことになるからね」というと、「ボケたらしょうがない」の一言。確かに。でも父も母も、お互いを必要としているということは十分に分かります。その関係を大事にしてやりたいというmizumiuの思いと、二人でいられるようにと介護してきたことは、両親にとっても大事なことだったというのも十分に伝わっています。これからはホームで周りの助けを借りながら、二人でお互いを支え合っていくでしょう。ホーム料金の不足分の出費は小さくないですが、それもなんとかなると思ってます。mizumiuは行動したら結果を出す人間です。だから自分自身について心配はありません。父と母のことも心配していません。ゆっくり準備していくだけです。







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