書いてよって言ってみたら。 [母]

 母や父のお見舞いに行くと、病院へ行ったり、老健施設へ行ったり、結構忙しく動き回っているmizumiuです。

 父と母のお世話になっている病院と施設は、「味気ない建物」ではなく、礼拝堂があったり、図書室があったり、花の写真が飾られていたり・・・と、そこを利用する人がリラックスするような内装になっています。窓から緑がたくさん見えるし、城趾が見える場所もあり、全体的に明るいし、とてもいい環境だなと思います。

 でも、父と母のいる場所は、その敷地内の北と南にあるので、その間をてくてく歩いていかないと行けません。近道なしの、長い渡り廊下付きです。父のところへ先に行くか、母が先かで、駐車する場所も大きく変わります。父や母の乗った車イスを押して歩いて、どちらかに会いに行き、またその通路を戻る、を繰り返すことになります。着替えを持っていって、洗濯物を持ち帰りますが、どちらかの洗濯物とどちらかの着替えを抱えて、長い廊下を歩き、駐車場まで戻るということも繰り返しています。

 二人を見舞う時に、ちょっと面倒に感じるのが、トイレです。父のいる施設は一階に利用出来るトイレがあるのですが、父のいる二階のトイレは利用者さん専用の作りで、見舞いに来た家族は利用しづらいので、わざわざ一階までトイレを利用しに降りることになります。その度に、二重ロックを外して入るドア(音付き)を出たり入ったりしないといけません。

 母のいる病棟にはトイレがたくさんありますが(トイレ付きの病室もあります、でも母の病室にはない)、そこはリハビリ病棟なので、トイレもリハビリに必要な作りで、やはり見舞いに来る家族は利用しづらいのです。それで音の鳴るドアを開けて、トイレまで行ったり来たりすることになります。

 父と母を結ぶ長い廊下の真ん中あたりに、患者さんと家族が座れるようなテーブルとイスが置いてあり、そこは携帯電話も使え、自動販売機もあります。mizumiuは勝手にそこを「真ん中の部屋」と呼び、母を連れて行って、電話をかけさせたり、気兼ねなくおしゃべりしたりしています。

 「真ん中の部屋」のすぐ横にトイレがあるので、見舞いに来た家族はそこを使っています。「お母さん、トイレ行ってくるからね。その間に、mizumiuに感謝の気持ちでも書いてよ(笑)」と言って、ノートとペンを渡しました。それで母が何を書いたかというと・・・。ようやくブログタイトルに繋がりましたね〜(笑)。トイレの話は要らないじゃん!でも長文になるのは、ストレスが溜まっている証拠なので、悪しからず・・・(笑)。

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 「子供達の仲で、一番色色と役に立って呉れてありがとう。これからもよろしくね。ありがとう。たよりにしてます。」

 「あら私は、役に立っているの?お母さんの役に立つって、結構大変なんだよ。だからお金も頂戴ね」と冗談を言うと、「お金は持っていけ!あるなら」と言うので、「どこにあるんだよ〜」と返しました。「ありがとう。Mちゃんがいるおかげで・・・」と続くので、他に何か言うかな〜と待ってたら、そこで終わってしまいました。しゃべることを途中で忘れるって、高齢者なら普通だから、別にいいんですけどね。

 半ば強制的に書かせた「感謝の気持ち」ですが(嘘であったとしても)書いてくれたことにmizumiuの方こそ感謝です。認知症の症状の中には、一生懸命介護している家族につらい言葉しかかけなくなってしまう人もいるそうです。父の友人が以前、「わがまま言えるのは、一番心を許しているからだよ〜。口では文句も言うかもしれないけど、内側では感謝しているよ、ちゃんと分かっているよ〜」とmizumiuをねぎらってくれたことがあります。

 父はとても穏やかで、もともとやさしい性格だったこともありますが、暴言を吐いたりすることはありませんでした。認知症がひどくなってきたら、親戚の悪口を言いふらしたり、まわりと喧嘩ばかりしていた親戚がいて、その家族がとても困っていたことがあります。そのせいで、従兄弟関係が悪くなってしまったこともあり、病気と言えど、認知症の症状は、周りの人間の心に大きなしこりを残してしまうこともあるというのを、実際に見てきています。

 父と母にはそのような症状が出ずに、mizumiuと普通に接してくれていることに感謝です。たまに爆発するmizumiuのことも平然と受け止めてもらっているので、父と母の方が忍耐力があるのでしょう。介護生活を送っていると、「私に感謝してくれ!」と思うこともあるのですが、mizumiuの方が父と母に感謝することの方が「結構たくさんある」ということに気づいてます。



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