担当医との面談、おしゃべり、父の点滴・・・。 [介護etc.]

 昨日、母の入所にあたって、主治医との面談がありました。

 最近、ケアレスミスの多いmizumiuは予定の11時半を勘違いして、11時に行き、「面談ですよね?」と相談員に告げてから、間違っていたことを知りました。でも、ちょうど担当医の先生もいらして、面談を早めてもらえました。

 話した内容は、母の容態が急変した場合、搬送を希望する病院があるか、母の体調や精神面で気になることがあるか、家族は施設の対応にどのような希望があるか等で、父の時にもあった延命処置の意思確認もありました。

 父の時も、延命処置はしないと話していたので、母もそうだろうと思い、先生との面談が済んでから母と話してみました。そしたら、「しない!私は嫌だね。植物人間になって寝ているのは!」と言うので、「じゃ、ここにサインして、書類提出しようね」と、記名と署名、日付を母に書いてもらって、すぐに職員さんに手渡しました。

 とても大事な決定ですが、即決でした。ちょっとクール過ぎたかもしれません。その時になって、果たして、この決断が正しかったかと、気持ちが揺れないかどうかも分かりません。でも介護をしてきたmizumiuも母自身も、だいぶ腹が座ってきたというか、動揺しなくなったというか、たぶん感傷的にならなくなったんだと思います。それに母がちゃんと意思決定できる時に、母自身のことを自分で決めてもらえるのも、ありがたいことだと思いました。

 その日は面談だけでなく、母がデイサービスで作ったというクリスマスカードに、孫たちへのメッセージを書く予定もありました。母が食事を取っている横で、6枚のクリスマスカードと1枚の切り絵作品を前に、mizumiuは「お母さん、このカードは誰にあげるの?これは?これは?」と聞きながら、メッセージを書いていきました。

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 孫と言っても、近くにいるまだ幼い孫たちを母は想定していたらしく、残ったカードを見てmizumiuが「兄貴のとこの孫にはあげないの?」と聞くと、「あれたちには、いいよ」と言い放ちました。「じゃ、どうすんの?余ったよ」と言うと、「リハビリでお世話になった3人にあげる」と言い出します。「リハビリって、病院に入院していたときの?」、「そう、三人いた」と言って、メッセージを書いていきました。

 「おかあちゃんは、mizumiuにはくれないのよね〜」と心の中でちらっと思いましたが、「別にいいや、もっと高いもの自分に買ってやる〜」と思い、気を取り直しました。それよりもなによりも母のメッセージがおかしくて一人で笑っていました。

 孫一人目(年長5歳女の子)
「○○ちゃんは、折り紙や絵を描くのが上手だから、これからもたくさんかいて、ばーばやじぃーじを喜ばせてください!」

 これはまっとうなメッセージでした。母が言ったメッセージをmizumiuが書いて、「ばーばより」は母に書かせました。mizumiu一人でおかしくて笑ってしまったのは、母が「ばーあばより」と書いたからです。「お母さん、”ばーあば”になっているよ」と言っても、母は気にしていなかったので、一人笑いをこらえながら、次のメッセージを書きました。

 孫二人目(4歳男の子)
 「サッカーのせんしゅになってください!」
 
 「お母さん、○○にそんな希望持ってたの?知らなかったよ〜」とmizumiuが言っても、軽く無視されました。母は今度はちゃんと「ばぁーば」と書いてました。

 孫三人目(1歳女の子)
 「おりこうで、かわいい○○でいてください!」

 そして「ばーば」と記名。少しずつスタイルを変えるのが好きなのもかもしれないと、mizumiuは一人でにやにやしてまいました。

 孫四人目(1歳女の子)
 「みんなにかわいがられる○○でいてください!」

 そして「ばぁば」と記名。母なりのアクセントだと思うことにしました(笑)。

 残りの3枚は、2ヶ月前まで入院していた病院のリハビリ担当のお三方に宛てたクリスマスカードです。退院してから、その三人の名前は聞いたことなかったのですが、施設と渡り廊下で結ばれている病院にいる方達に、母は思うことがあったみたいで、メッセージもそれぞれに宛てたものでした。

 リハビリ担当(男性)
 「リハビリ中は、いろいろとご配慮、ありがとうございます」

 いたってまじめなメッセージです。人柄に合わせたのでしょう。まじめで誠実なリハビリの先生でした。

 リハビリ担当(女性)
 「楽しい折り紙や塗り絵ができて、ありがとうございます」
 
 母がその方と、本を読む時に使うしおりを作っていたのを思い出しました。母は退院してから本を読むことはなかったですが、いろいろと手を使っていたのが楽しかったのでしょう。

 リハビリ担当(女性)
 「ベットから起き上がれるようになりました。ありがとうございます」

 「お母さん、今、起き上がれないじゃん!ふゆ〜(方言:めんどくさがりの意)して、家では動かなかったからね〜」と言っても、母は無視でした。退院直前に送るメッセージなら分かるけどな〜と思いましたが、母には伝えたいメッセージだったのでしょう。リハビリ担当のお三方には、母の名前を書くように言って、書いてもらいましたが、さすがに自分の名前は間違えずに書いていました。

 カードにメッセージを書いたり、母の食事を少し手伝ったりしていたら、同じテーブルで食事を取っていた一人の入所者の女性が、「これなんですか?見せてください」と言うので、「クリスマスカードですよ」と見せると、「すごいね。自分で作ったの?この細かい花も?」と聞くので、mizumiuが「いえいえ、花は職員さんが切って準備してくれて、母はのりで貼付けたんですよ」と説明すると、「いいわね、私にも一枚ちょうだい!」と言ってきました。でもぜんぶにメッセージを書いてしまった後だったので、「すみません、孫達にあげる分しかないんですよ」と言ったら、「そうなの」と言ってやさしく笑っていました。

 それから、話しかけてくれた入所者御年92歳と向かいに座っていた御年98歳の入所者とのおしゃべりが始まりました。mizumiuは話しかけやすいタイプらしく、高齢者の方のほうから、どんどん話しかけてくるので、食事が済んで周りは片付けも済んで、他の利用者さん達が部屋へ戻っていなくなるまで、おしゃべりが弾みました。

 「自分は92歳、この人は98歳、私は大正8年生まれ。この人は大正2年、学校は6年行った。私は体も小さくて仕事も何も出来なかったし、一番年下だったから、父親が困って、学校6年終わってから、高等科にもう2年行ったよ・・・」と子どもの頃の話しをして、98歳の入所者さんも、「自分はどこどこの出身で、ハルサ〜(農業)してたから、体は丈夫。一回も病院にかかったことないよ〜」と話してくれました。

 お二人ともとても自然で、ちゃーがんじゅ〜(とてもお元気の意)。「私は寅よ」と98歳の方が言うので、「私も寅ですよ〜。母は牛です」とmizumiuが言うと、「あんたも寅ね〜?あんたは牛?私の息子は辰よ〜」と話しが弾み、「寅はガージュ〜(気が強いの意)ですよね」とmizumiuが言うと、92歳の方が、「ガージュ〜じゃなくて、ガンジュウ(体が丈夫の意)よ〜。昔は農業してたから、みんな体が丈夫だったよ〜」とフォローしてくれました。

 そして自分が高等科に行って、初めて学んだことを教えてくれました。国語の本の第一番目に書いてあったそうです。それまで方言まじりだったのに、「農業はあらゆる仕事の中で、最も体を健康にする仕事である」ときれいな標準語で話してくれました。「国語の本に書いてあったのよ。勉強もさ、机でやることより、農業することのほうが多かったさ〜」と楽しそうに話してくれました。

 自分から話しかけることなく、静かに会話を聞いている母も、方言が少ししかわからないmizumiuが少し首を傾げると、すかさず通訳してくれたりしました。母は、純沖縄の血筋ですが、本土生まれの本土育ちで結婚してから沖縄に来たので、自分自身は方言を話せませんが、方言の聞き取り力はmizumiuもよりもはるかに上なのです。

 92歳の方が、「昔はさ、みんな親が教えたよ〜。今の親とは違うよ。”むぬならいは、としぃ〜んかい”(物を習うのは年寄りからの意)って言ってさ、親や年上からいろんなことを教わったよ。だから年寄りには、道で会ったら、会釈して歩いていたよ。今の人はしないけどさ〜」と話し、昔、ヤギ汁を食べて後、お酒を飲んだ人が死んでしまった話しをしてくれました。

 「家を新しくしてさ、大工さん達呼んで、ヤギつぶしてお祝いしてさ〜。お酒も出しよったわけ。ヤギはくんち(根気、元気を付けるの意)つくさね〜、それがとても強かったわけさ〜。その後でお酒も飲んだからさ〜、一人の大工さんは病院に運ばれてさ〜、そのまま天国へ行きよったよ〜。ヤギ食べた後にお酒飲んだらよくないことを年寄りは知っていたよ〜。あれは炊事場も悪かったんだけどさ、お祝いの席には、お酒が出るさ〜ね〜。お祝いの席が、そのまま葬式になったよ〜」と最期に大きな声では笑えないオチをつけて話してくれました。

 「だ〜、わんね〜、もうに〜ぶぃしちょん(私、そろそろ眠くなってきた)」と98歳の方が言って、部屋へ戻ることになったので、そこでおしゃべりは終わりました。「またおしゃべりしましょうね〜」と言って、mizumiuも母をトイレまで連れて行きました。実は母はトイレを我慢していたらしく、mizumiuに連れて行ってもらうために待っていたみたいです。「お母さん、手を挙げて、大きな声で職員さんに声かけて、トイレに連れて行ってもらうんだよ」と話して、トイレの前で職員さんに母をお願いして、父に会いに2階へ下りました。

 昼食後だったので、父は部屋で休んでいて、テレビの前にはいませんでした。部屋に向かうと、父が点滴をしていたので、びっくりしました。父に話しかけると、いつもと変わりありません。食塩水だから、水分が足りないのかな?でもなんで点滴?と思い、職員さんに事情を聞いてみると、「微熱が、朝は37度4分、お昼後は37度2分あって、水分の摂取量が少ないので、点滴をしています」という返答がありました。

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 部屋に戻って、父に、「どこか痛いとこある?熱があったんだって?気持ち悪くない?」と話しかけると、素直に受け答えしてくれて、mizumiuのことを完全無視する時よりも、反応がいいのです。おでこを触っても熱くなかったので、点滴する必要あるのかな?と思いましたが、点滴しているから元気なのかな?と思い直し、ちゃんと管理してくれていると思うことにしました。確かに父は水分を取るのを嫌がる傾向があるし、お茶やお水でむせることもあるので、介護の中でも、水分を取ってもらうのは大変なんです。

 家では朝たっぷりの果物を食べさせていたですが、施設では普通の食事だから、水分量が減るのは仕方がないのかもしれません。果物の差し入れをしようかと思い、許可を取りましたが、ひとまず担当医との話しが済んでからということでした。入所後3日で点滴って、どうよ、父ちゃん!みたいな感じで、父に話しかけると、点滴を打たれて寝かされている状況を楽しんでいるかのように、父は必死で笑いをこらえているのです。「お父さん、何笑っているの?熱が出て、水分も足りなくて、点滴までしてるんだよ!心配しているんだよ!」とmizumiuが少し怒った口調で言うと、笑いながらも「そうか?」と答え、なぜかとてもうれしそうでした。

 「あいあいあい〜、楽しんでいるね。じゃ、おしゃべりしよう。起きて!」と言っても、顔は笑いながら目をぎゅっとつぶっています。「目開けて、こっち見て!」と言うと、少しだけ目を開けてmizumiuを見てすぐにまた閉じます。ずっと、うれしそうにしてます。「ご飯も食べて、お水もたくさん取ってよ!」と言うと、「分かった〜!」と答えます。「眠いの?」と聞くと、頷きます。「じゃ、もう帰るよ。せっかく会いに来たのに〜!もう帰るよ!」と言うと、笑いをこらえながら、頷きます。

 これなら大丈夫だなと思い、mizumiuは帰りました。父の調子は波があるので、本当のところはどうなのかわからないのですが、あのうれしそうな表情を見る限り、大丈夫だと思うことにして、あとは任せました。父と母を入所させてから、まだぱたぱたと忙しくしている毎日ですが、それでも、今までやっていた介護をしてないので、mizumiuの気持ちにも少し余裕が出てきています。父と母に会いに行くと、楽しく優しく接することが出来ます。離れることも大事だな〜と実感する日々です。父と母も落ち着いて生活しているようで、なによりです。二人が穏やかでいることが、mizumiuにとっても大事なことなんだな〜と改めて思った次第でした。
















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