脳内出血と意思疎通 [母]

 母は右脳の視床出血により、左半身麻痺になり運動機能に大きな障害を持っています。しかし意思疎通はちゃんと出来ました。倒れた直後からしばらくは、頭がボーッとしていたようで、mizumiuの問いかけにもゆっくりとした反応しかありませんでしたが、こちらの言っている事はちゃんと理解しているという事は分かりました。 左脳に脳疾患が出ると、言語機能に障害が出てしまうので、言葉が上手く話せずに余計に苦しいと聞きます。母は幸いにして言語機能に大きな問題は出ませんでした。これは介護するmizumiuにとってもとてもありがたいことでした。意思疎通が出来るのと出来ないのとでは、介護する方のストレスも大きく違ってくると思います。

 mizumiuが父と母の二人を介護できるのは、母と会話が出来るというのがとても大きいです。父は認知症で自分からはあまり言葉を発しないし、こちらからの問いかけに対しても、「知らん!」か無視するかです。こちらの言っている事は理解しているようですが、自分から何か話すというのはめんどくさいようで、父との会話においては、mizumiuが父の表情や態度を見て父の意思を判断するという作業が必要になってきます。会話が一方通行になりがちになると、こちらもイライラするし、父もうるさいという表情をします。

 右脳の持つやる気とか意欲的、積極的に何かしたり、感情表現をする機能にダメージを受けると、顔の表情は乏しくなってくるし、何事にも消極的になってきます。母も顔は意識しないと無表情になります。またリハビリや本を読んだり、字を書いたり、等の訓練をしようと誘っても拒否することが多いです。もっと積極的にリハビリをやってくれたら、母の機能はもっと改善すると思うのですが、母のやる気のスイッチがどこにあるのか未だにわかりません。

 性格によるかもしれませんが、母はギャラリーがいたほうがリハビリをがんばります。周りから褒められたり、声援をもらえると人間はやる気が出てくるのですね。一人でコツコツより、ジムやトレーナーのいる環境を好むようです。しかし家庭において介護全般を請け負っているmizumiuは、いちいち褒めたりおだてたりする余裕がないことも多いので、リハビリを強要したりします。しかしたいてい上手くいきません。

 母は唱歌が好きで、倒れたすぐ後のリハビリでもきっちり歌いきって、理学療法士さんや作業療法士さん達を驚かせた事があります。歌は感情表現のいいリハビリなので、mizumiuは車に乗るとよく一緒に歌を歌います。また母は百人一首をたくさん覚えていて、mizumiuが上の句を詠み上げると、下の句を諳んじます。すごいなと思います。

 意思疎通ができると介護生活に減り張りがつきます。脳に障害を持つと、本人の意思とは関係なしに、会話や意思疎通も難しくなったりします。介護する人間は、様々な情報を自ら読み取っていかなくてはなりません。とても気を使うし、会話が成立しないととても苦しく感じる事もあります。しかし、介護されている方達は表現が下手になっただけで、介護する人のことをきちんと見ています。感謝の気持ちはあっても、上手く表現できない事もあります。介護する側がすべて考慮してあげるというのは時にとても苦しい事です。なので、介護する側は、素直な気持ちを表現しましょう。今眠いとか、疲れているとか、ご飯がおいしく出来てうれしいとか、検査の結果が良くて安心したとか、相手の気持ちを知るばかりでなく、自分の気持ちを相手に伝えましょう。必ず相手に通じます。

 
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