糸満ハーレー [父]

 今日は父と糸満ハーレーを見に行きました。

 父の生まれ育ったところは、糸満で、親戚もたくさんいます。ハーリーや綱引きは、沖縄の各地で行われていますが、一度も住んだことのないmizumiuでさえ、ハーリーや綱引きと言うと、糸満を連想します。でもなぜ糸満だけ、ハーレーと言うのかは知りません。

 父に「糸満ハーレー見に行く?」と聞いたら、前日も直前も、「行く」と答えたので連れて来たのに、一度母の弟の家に寄ったのがいけなかったのか、会場の港へ行くまでに、「行きたくない」とか「帰ろう」とか言い出しました。「行くっていうから、連れてきてやったのに。しかも母の車イス借りてきたから、座ってるだけで、観戦できるのに!」と思いながらも、特に腹を立てずに、「うん、ここまで来たから、ちょっと見て帰ろう。何か食べたい?」と父の言動を軽く流していきました。

 他のところは知りませんが、糸満のハーレーって、結構な距離を行って帰ってくるんです。人がたくさんいるので、隙間から見える範囲だと、目の前を通過してまた戻って来るまでに、結構時間がかかります。その繰り返しで、確かに、見るだけなのは飽きます。父はご機嫌斜めのようで、10分程したらまた「帰ろう」と言い出しました。

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 「お父さん、もう少し見ていこうよ」と何度か受け流していたのですが、だんだんそわそわしてきたので、今日は無理しない方がいいかなと思いながらも、せっかく来たんだからと、「もう少し、もう少し」と、父に話しかけながら見てました。

 近くにいた男の人にプログラムを見せてもらったら、そろそろ「アヒル取り」が始まる頃でした。海にアヒルが放たれて、青年や少年(ほとんどが男子)が海に飛び込んで捕まえるという糸満ハーレー名物のイベントなので、父に「ほら、アヒル取りの準備しているよ」と言って、父の気持ちをハーレーにつないでいたのですが・・・。始まるや否や、前のテントに座っていた人たちが総立ちで盛り上がり、後ろの方で車イスに座っている父と背の低いmizumiuは、な〜んにも見えませんでした。

 さすがにmizumiuも、「もう、いっかな〜」という気持ちになり、帰ることにしました。帰る途中、アヒルを捕まえた兄々たちがいて、父に「アヒルだよ」と指差して見せても、あまり反応がありませんでした。でも「帰ろうか」という声かけには、しっかり「うん」と答えるので、従兄弟が出るはずの門中別対抗ハーレーも、クンヌカセー(転覆ハーレー:糸満ハーレーの最大の見所。わざと船を転覆させてまた漕ぐ)も、本当は見たかったのですが、会場を後にしました。見る場所を変えたら、父の気も変わるかと思ったのですが、今日の父は、最後まで筋が通ってました。

 糸満を離れる前に親戚の家に寄って、叔母さんが用意してくれた食事を父と一緒に頂きました。父はその後しっかり一時間程お昼寝。ハーレー会場には30分程しかいない計算です。mizumiuも少し疲れたので、ちょっとだけ休んで、あとは叔母さんとテレビ見ながらおしゃべり。そのうち、ハーレーが終わったよという花火なのか爆竹なのか、合図が聞こえてきました。せっかく来たのに、父はただ単に、眠かっただけなのかもしれません。お昼寝の間、mizumiu一人で港に見に戻ることも出来たのですが、叔母さん一人に父の面倒をお願いする訳にもいかず、でもおいしいご飯が食べられたからいいか〜と、天気のいい午後をゆったりと過ごしました。

 その後すぐ家に帰るのではなく、父と母のお見舞いに行きました。父がショートステイ中に、母を見舞うことの方が、父にもmizumiuにとっても楽なんですが、外出したついでだし、母の洗濯ものを取りに行かなくてはならなかったので、病院へ直行しました。母は、「お父さん、昨日も今日も来なかったね」と言って、父がショートステイしてない、ということを理解してませんでした。これが認知症の症状の一つなのかと思いながら、「お母さん、お父さんは、昨日も今日もショートステイしてないよ。家にいるよ」と言って説明し、「お父さんは来週火曜日から、また来るからね」と教えました。

 母は、病院での生活やリハビリ訓練に慣れてきたようで、家よりここがいいみたいなことを言っていて、「おまえもその方が楽だろう」と余裕を見せていました。でも「お父さんと一緒がいい」と父を見ながら言い、父もうんうんとうなづくのを見て、にっこりしてました。「あ〜、そうですか。私と一緒は嫌ですか〜。家には帰ってきたくないのですか〜」とmizumiuがふざけると、「そうじゃないさ、家がいちばんいいさ〜」とも言ってました。どっちやねん!という感じですが、まぁ、言わせておきましょう。

 父もだいぶ疲れが出てきたみたいで、「帰ろう」と言い出したので、「じゃ、お母さん、帰るね」とドアへ向かおうとすると、「お父さん、明日も来てね」と言うので、「明日は来ないよ、来週の火曜日からだってば」と言うのを、理解しているのかどうかわかりませんが、母は読書を始めました。家に戻ると、少し現れてきた認知症の症状が戻るとも言われていますが、母の場合はどうなんでしょうか。わかりませんが、なるようになるんだろうな〜という気持ちがあります。受け入れるって感覚です。

追記 今日、母はmizumiuの知らない上着と肌着を着ていました。母の着替えはあるのに、なぜ?と思い、介護士さんに尋ねてみると、その方が、病院の服に着替えさせたらしく、母が自分の服をもっていることを知らないでいるようでした。mizumiuは、他の患者さんの服と間違えて着せられたのかと思い、確かめたのですが、それで病院の持ち物だということが分かったのですが、なんとなく、「気持ちよくない感」が残りました。共有の病衣には感じなくても、洋服の共有には、なんとなく、居心地の悪さを感じてしまい、母には着せたくないと思ってしまいました。なぜだかわかりません。当の本人は、ぜんぜん気にしていない様子でしたけど。


 
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