美容師さん、施設まで来てくれた！

　何度かこのブログでもお伝えしたことのある、母のお世話になっている美容師さんにお願いして、施設まで来てもらい、父と母の髪を切ってもらいました。

　母の大好きな美容師さんのTさん。先日、お店がお休みの時に、わざわざ施設まで父と母の髪を切りに来てくれました。本当に心から感謝です。父と母を長期入所させてからは、一旦父と母を外出させて家へ連れて帰り、Tさんに家まで来てもらって髪を切ってもらっていました。ところが、父が立つことも出来なくなり、リクライニング式の大きな車椅子に座るようになってからは、mizumiu一人で父を外出させることも、大きな車椅子を車で運ぶことも出来なくなってしまいました。父が帰宅する時は、今では介護タクシーを利用しています。髪を切るのに、介護タクシーを使うとなると、これまた出費が重なるので、やさしいTさんは、わざわざ施設まで来てくださったのです。

　父は外出もままならないから、一度、施設に来る床屋さんに髪を切ってもらったのですが、五分刈りより短く、髪を切られたというより、髪を刈られた頭になっていて、それに切ったあとの処理も適当だったので、枕が短い髪の毛でいっぱいでした。髪の毛は短い方が、介護する側にとっては楽なのは重々承知しているのですが、あまりの短さに、mizumiuの心がとても痛くなってしまったのです。他にも髪を切ってもらった利用者さんがいたのですが、男性も女性も超短髪頭で、部活動している中学生かと思うほどでした。

　父の新しいヘアスタイルを見て、こんなに短くされて…と思ったのはmizumiuくらいで、周りの人たちは、Yさんかっこいいね〜、よく似合ってるね〜と言っているではありませんか！お世辞かと思いきや、それまで髪が伸びすぎていたので、すっきりしてかっこ良くなったと言うのです。mizumiuは今まで見たことないほど、短い髪の父の頭が、なんだかとても哀れでかわいそうに見えて仕方ありませんでした。もし、数日のうちに、父の身に何か起きて帰らぬ人となった場合、この頭で最後を見送るのは、絶対に嫌だと思いました。それから一月ほどは父を見舞うたびに頭をなでて、「早く髪の毛伸びろ〜！」とおまじないを本気でかけていました。

　また同じような頭にされるのはmizumiuが嫌だったので、美容師のTさんが髪を切りに来てくださると言ってくれた時は、本当にうれしかったです。リクライニング式の大きな車椅子は、頭を支えるところもあるので、また体を支える事もできなくなっている父ですから、相当切りづらかったと思いますが、父の頭も格好よくしてくださいました。当然のことながら、母も、すてきな髪型にしてもらい、みなさんによく似合うとほめられたようでご満悦でした。

　高齢者は、見た目が大事です。どのような障害を持っていたとしても、見た目、特に髪の毛がこざっぱりしていると、清潔感があり、よく見えるものです。長い髪の毛でも、結んだり、編んだり、まとめていたりすると、ちゃんとしている印象を与えます。身だしなみが自分では出来なくなるので、介護の助けが必要になってくるのですが、髪の毛は、入浴やトイレ介助、下の世話などに比べたら、優先順位が低いし、他のこともやりながら、時間の余裕がないと出来ないし、そもそも髪の毛にまで注意を払ってくれる人がいないとできません。

　幸いにして、父と母にはTさんという心強い美容師さんがいます。本当にありがたいことだと思います。それもこれも母とTさんの関係がよかったからなのですが、介護を通じて出会う人との繋がりに助けられる事が多いなと感じています。父と母が、それまで真剣に人付き合いをしてきた恩恵を、mizumiuも受けています。介護しなかったら得られなかった経験です。やっぱり感謝です。

　

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