夢の中でも食べてます。

　先日父と母のお見舞いに行った時のこと。母はトイレにいました。職員さんが教えてくれたので、すぐ出るかな？先に父のベットに行こうかなとウロウロしていたら、いつもうちなー口で話しかけて来る女性の利用者さんが、「あんたのお母さんはトイレにいるよ。中開けて見なさい！」と何度も大きな声で話しかけてきました。これくらいのうちなー口ならmizumiuも理解できます。でもなんて言われたか書き取りは不可能。

　カーテンの中覗くのは、もし違う人だったら…と思い、でも笑顔で、「本当だね。いるね。まだ終わらないみたい。ありがとう」とお礼を言いました。そのやりとりが聞こえたのか、「Mちゃん！」と中から呼ぶ声が聞こえたので、ちらっとカーテンを開けて覗くと、母が便座に座ったまま、
「今日はどうしたの？」と聞いてきました。
「お見舞いだよ」と答えると、
「お父さんの？」と、お尻を掻きながら聞く母。私に会いにきたの？とは決して言わない母。
「お母さんにも会いに来たよ。お父さんのベットのところで待ってるから、トイレ終わったら来てね」と伝え、父の部屋に行きました。

　お昼ご飯が終わって30〜40分後だったのでベットで横になっている父は、mizumiuが話しかけても起きる気配はなく、目も開けようとしません。ちょっとうるさそうに、顔を向こう側へ向けてしまいました。そこで母が来るまで、ケアマネージャーにもらったばかりの二人のケアプランを見ながら待っていると、mizumiuがまだいるのかをちらっと見て確認する父でしたが、すぐに目を閉じて寝入ってしまいました。しばらくしたら職員さんに車椅子を押されて母が来ました。自分で動けるのに、職員さんの手を借りて来た母を見逃さず、mizumiuの注意が飛びました。

「お母さん、なんで自分で来ないの！押してもらうんじゃなくて、自分で手すり引っ張ったり、足で蹴ったり、手で車回したりできるでしょ！」と言うと、親切な職員さんの方が、
「すみません」と言って部屋を出て行きました。
「いえ、すみません。ありがとうございました！」と声をかけ、また母の方を向いて、
「自分で出来る事は、自分でして欲しいと、ケアプランにだって書いてあるんだよ！」と言うと、
「お父さんの部屋は遠いんだよ」と訴える母。父の部屋は廊下の一番はじっこにあります。
「お父さんに会いに来るのに、遠いもくそもあるか！」と厳しく叱るmizumiu。母はこういうところで、他人に甘えられるいい性格しています。もっと自発的に体を動かしてくれたら体重だって減るのに、と思っているのはmizumiuだけです。

　「今朝さ、裏のカフェのクッキーを食べてる夢見てさ、今クッキー食べているところですって、職員に言ったんだよ」と笑う母。は？なんて？と意味が分からなくて、確認作業するmizumiu。
「朝お母さんは寝てたのね。で、夢の中で家の裏にあるカフェのクッキーを食べようとしたんだね？」
「うん、食べていたの。でもNさん（母の名前）、Nさんって職員が起こしに来たから、今クッキー食べているところですって言ったの」と笑う母。
「寝言で言ったの？クッキー食べているから、まだ起こすな、待ってってこと？」
「そう。そしたら、同じ部屋のTさんが、美味しかった？って聞くからさ、美味しかったって答えた。そしたら職員も、ぼくも食べたかったって言ったんだよ」と笑う母。夢の中で普段食べられないクッキーを食べていた母は、寝ぼけていたのか、真剣だったのか、クッキーを食べる事を邪魔されたくなかったようです。起こしに来た人にも通じるほどはっきりと寝言が言えるのはさすがです。
「お母さん、夢の中でクッキー食べていたんだね。確かにカフェのクッキーは美味しいよね〜」とmizumiuが同意して言うと、
「だから、買って来てって言ってるのにぃ！」と若干キレ気味に催促してくる母でした。

　おかしいやらあきれるやら。母の食い意地は筋金入りです。（汗）同室の利用者さんも、職員さんも母の夢の続きに付き合ってくれる優しい人達でよかった。その日は孫が来た時に持ってきたお土産のお菓子がまだあったので、母に上げました。もっともっとと催促するので、mizumiuの常備食のアーモンドとくるみも少し上げました。カロリー計算されている食事以外は食べないようにしなくてはいけないのですが、母のストレス解消も兼ねて、たまにですがお菓子を与えてしまいます。ケアプランに書かれてある本人（母）の希望は、「食べたいものを食べたい」。
　
　

タグ：介護 母 食事 寝言 クッキー 食欲 職員さん 夢の中