食べたことはよく覚えている母。

　とにかく食べる事が大好きな母です。最近のことはど忘れすることがたまにあるし、娘や孫の名前が出てくるのに時間がかかったりするのですが、食べる事に関しては、いろいろなことを記憶しています。

　先日お見舞いに行った時に、「この間行った、あれ、何ベッキーだったっけ？」と母が聞いて来ました。先日行ったトルコ料理のレストランのことで、名前が「ケレベッキ」と言います。母はなかなか覚えられないので、語呂合わせして覚えてもらおうとmizumiuが考えたのですが、半分を覚えていたのです。

「ケレベッキだから、ベッキは、ベッキーで覚えて。知ってるでしょ、そう言う名前のタレントさんがいるの。ケレは、けぇーれー（帰れの意、うちなー口）にして、帰れベッキーって覚えてみたら？」と半分冗談で言ってみたのです。そしたら、ベッキーだけ覚えていました。でも、こういう話をしたことを覚えていることがすごいなと思います。やはり食べ物に関係する事は、メモリーが大きいのかもしれません。

　「あそこのアイスクリームは美味しかった〜。しっかりと味があって…」と具体的な味まで覚えています。「トルコのアイスは、のび〜るアイスなんだよ。ねっとりしてたでしょ。たっぷり入っていたしね。あれであの値段は安いよね」とmizumiuが言うと、「また食べたい！」と嬉しそうに答える母でした。

　トルコ料理なので、肉料理が中心なんですが、mizumiuはケレベッキのレンズ豆のスープが好きです。濃厚で濃くがあって、香りも良くて。まだ父が歩ける時に、母に内緒で二人で食べに来た事もあり、父もレンズ豆スープを美味しいと言ってました。介護しながら行けるレストランがあるのは、とても幸せだし、ありがたいなと思います。

　バリアフリーで、駐車場から入り口までが近くて、お店の雰囲気が静かで、認知症の父でも落ち着いて座っていられて、これでトイレがバリアフリーなら完璧なんですが…。それでも、時々、行きたくなるレストランがあるというのは、偏食なmizumiuにとっても、食いしん坊の母にとっても幸せなことです。

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