ハンガーストライキ決行?! [母]

 火曜日の夕方、携帯に施設からの着信履歴がありかけ直そうとしてたら、母から電話がありました。

 装具のことで母なりにいろいろ考えたらしく、その考えを聞いていました。ところが少し考え違いというか、母の言いたいことが電話ではよく分からなかったので、今度のお見舞いに行くからその時にちゃんと話すことにしました。母が何かしら電話をかけてくるのは、話して来る用件とは別なところに理由があることが多いのです。年寄りだし、時間はたっぷりあるので、想像が膨らんでしまうこともたまにあります。「わたしゃ、ボケたのかな」と、自嘲することもあるのですが、本物のボケとはまたちょっと違うので、mizumiuは母の頭の整理を手伝い、周りの職員さんたちとの調整をするのです。

 mizumiuが会いに行くよ言うと、安心したような口調になった母に、
「あの看護師さんはもう何も言ってこないでしょ?」と聞いたら、
「ハンガーストライキしたよ」と言うのです。
「えっ?いつ?知らなかった〜。何の連絡もきてないよ」と、以下会話です。

「お前に電話してすぐだよ」
「土曜日?お昼ご飯、食べなかったの?」
「食べなかったよ」
「大丈夫だったの?」
「おなか空いたさ!10人くらいの人に、ご飯食べてねと言われたけど、食べなかった。あの人は、冗談で言ったんだよって言う人もいたけどさ。血糖が下がるから食べてとも言われたけど、食べなかった」
「お母さん、それで大丈夫だったの?」
「おなかが空いて空いて、大変だったよ。後であの看護師が水虫の薬塗りに来て、これで仲直りしようって、チョコレートくれてさ、それがあんまりにも美味しくて。で、夜ご飯は食べた」
「そっ、そうだったの」
「あの看護師さんは、上の人に注意されたらしいよ」
「それじゃ、もう何も言ってこないだろうね」
「ハンガーストライキは私には合わない」
「そうだね。ハンガーストライキは一回でいいね」
「うん、もう、やらない」…。

 携帯を切ってしばらく、なんだか可笑しくて一人でくすくすと笑いが止まらないmizumiuでした。言われっぱなしはしゃくに触るし、母にも意地があるのです。ハンガーストライキは、食べることが大好きで一番の楽しみな母が出来る精一杯の反抗だったのです。でもただでさえ、施設の食事は足りなくていつもお腹を空かせているのに、一食抜くとなると、お腹が空いて空いてしょうがない。でもやる時はやる。そんな葛藤を抱えてよくやったな〜という賞賛と、渡された小さなチョコレートは美味かった〜という母の正直な気持ちが微笑ましくて…。とにかく真剣な母に、くすくすと長いこと笑いが止まりませんでした。

 
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