歌習いたい。

　先週末、父と母を見舞いに行った時、母が思い出したように言いました。

「私、歌習いたいよ。お前、先生探すって言っていただろう。どうなった？」
「ん？歌の先生？そうだったね。まだちゃんとは探していないけど」
「私、歌習いたいよ」
「お母さん、歌って言っても、いろいろあるさ〜ね〜。カラオケの歌い方とかオペラとか民謡とか…。どんな先生でもいいの？歌の上手な人に頼めばいい？」
「ちゃんとした先生。声楽をきちんと学んだ人がいい」
「お母さん、声楽をきちんと学んだ人って言うと、レッスン料もそれなりじゃない？」
「高いのか？」
「まだ調べてないから分からないけどね。来てもらうの？通うの？」
「行かなきゃダメだろう。家にピアノないし」
「お母さん、今入所中だよね…。ピアノがなくてもレッスンは出来るのかな？通うとなると、誰が連れて行くのさ？」
「お前しかしないだろう」
「そうなるよね…。あのさ、いろいろ調べなきゃいけないし、条件もあるよ。まず、お母さんが通える場所にあるかどうか。バリアフリーかどうか。車椅子で入れるかどうか。先生の自宅となると厳しいよね。どこか場所借りるなら、場所代もいるよね。私が車で連れて行ける範囲かな？そもそも、お母さんのような高齢の体の不自由な人に教えてくれるかとか…ね。とにかく、調べてみるね」

　普段、母が自分から何かしたいと言うことはないので、良い先生が見つかるといいなと思います。結構なハードルですが、動いてみます。

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